Macro-HEXANON AR 55mm F3.5 (その9)

 けっこう長く続いたMacro-HEXANON AR 55mm F3.5はひとまず今回が最終回です。けっこう長い間,カメラにつけっぱなしでした。何か特別気に入った点があったというよりも,コロナ禍でカメラを持ってほっつき歩くのも憚られて,あまり写真を撮らなかった,というのが本当の理由です。では,気に入らなかったのか,というとそんなことはありません。マクロレンズだから当然のように寄れるわけで,写りもシャープで楽しめます。光の状態によって表情が豹変するのもおもしろいですが,使いこなしは難しいとも思いました。

最終回も八ヶ岳の麓のカットです。

ILCE-7S / Macro-HEXANON AR 55mm F3.5
F3.5, 1/200, ISO 100 (+0.7EV), WB (Auto)
Oct. 01, 2020
天女の湯の近くの牧草地の脇に茂っている野菊です。やっぱりボケがわさわさしています。

ILCE-7S / Macro-HEXANON AR 55mm F3.5
F11.0, 1/640, ISO 100 (-0.3EV), WB (Auto)
Oct. 01, 2020
美し森のハイキングコースでのカットです。埃が写り込んでいるのはしょうがないとして,絞れば絞ったなりにちゃんと写ってます。

ILCE-7S / Macro-HEXANON AR 55mm F3.5
F3.5, 1/400, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Oct. 01, 2020
最初の野菊のカットを撮った場所で道路を挟んだ反対側です。ここだけ切り取るとちょっと欧米風味の画です。手前の木の枝というか葉にピントをあわせていますが,開放でもボケがあまり多くなくて背景の様子がわかって,かつ,手前の木の立体感が自然にでています。こういう画は好きです。

ILCE-7S / Macro-HEXANON AR 55mm F3.5
F16.0, 1/250, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Oct. 02, 2020
県立まきば公園です。絞ってパンフォーカスを期待しているのですが,ピントがどこにきているのかイマイチよくわかりません。右側の木や奥の山の輪郭がちょっと風呂屋の書割りみたいな感じで,立体感はあるけど違和感もある,という不思議な感じです。

ILCE-7S / Macro-HEXANON AR 55mm F3.5
F3.5, 1/250, ISO 100 (+0.7EV), WB (Auto)
Oct. 02, 2020
最後は,八ヶ岳からの帰りに勝沼で寄り道をしてぶどう園に行きました。甲斐路と云う名の山梨特産のぶどうです。好きか,と言われると微妙なのですが,嫌いではないですし,通販ではなかなか買えないこともあってこういう機会に買って帰るのは楽しいものです。柔らかい描写がぶどうのイメージにとてもあっていると思います。Sony FE35mm F1.8でも似たようなカットを撮ったのですが,確かにFE35mmはMacro-HEXANON 55mmとは比較にならないほどシャープで抜けもよいのですが,ぶどうがあまり美味しそうに見えません。画の印象が光の違いに依存するのは当然であるにしても,仕事ではなく趣味ならMacro-HEXANONのようなおっとりした写りの方が肩に力がはらなくて好きです。

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