FUJINON L 5cm F2.8

Fuji Photo Film FUJINON L 1:2.8 f=5cm

マウント:L39
焦点距離:50mm
開放F値:2.8
絞り羽根:10枚
レンズ構成:4群5枚
最短撮影距離:1m
フィルター径:40.5mm
質量:???.??g (実測値)

フジフィルムがバルナックライカコピーのレオタックス用にF2の上位機とともに供給した標準レンズです。供給した期間は1957年から1958年とごく短い期間で,F2レンズが5000本程度,F2.8レンズが6000本程度生産されたようです(<a href="http://koiwide.com/j-lens_fujinon5028-1">こちら</a>より)。F2レンズは途中で距離環にピントレバーがつくようになるという小変更がされていますが,F2.8レンズは特に変更はなかったようです。

このレンズはレンジファインダー機用の標準レンズとしては珍しい4群5枚のクセノター型構成で,上位のF2レンズよりもよく写る,という評判で最近はそれなりに人気があるようです。直進式のヘリコイドではないので,距離環をまわすと絞り環もいっしょに回ってしまうので少し使い勝手が悪いのですが,レンジファインダー機で使う場合はピントをあわせるまえに絞りを決めてからでも撮影に不便はないのであまり困らないとも言えます。

この個体は絞り羽根がどうやら1枚欠落しているようで絞りを閉じていくと開口部の形状がとてもイビツな形になります。また,距離環もスカスカでグリスがほとんど切れているようです。ちゃんと調整しないとすぐにヘリコイドがかじりついてしまいそうです。動作には問題ない,ということでヤフオク!で入手しましたが,確かに動作は問題ないけど,かなりダメな個体でした。1円スタートであまり高くないこともあって,このの出品者からは時々落札しているのですが,問題ない,という個体でもどこかしら問題があるものばかりで,いいかげん学習してよせばいいのに,ダメ個体を何回も落札している自分が情けなくなります。いずれにしてもこの個体はかなり状態は悪い,と言わざるを得ません。足りない絞り羽はどうしようもないですから,開放で使うかがっつり絞ってF16で使うか,で騙し騙し使うしかなさそうです。

LEICA M MONOCHROM (Typ 246)にこのレンズをつけるといかのような感じです。けっこう,さまになっている気がします。

PENTAX K-1 Mark II / smc PENTAX-D FA 50mm F2.8 Macro
F8.0, 1/10, ISO 800, WB (Off)
Oct. 11, 2020

このレンズに関するウンチクはこちら

以下,L-M変換リングを介してFUJINON L 1:2.8 f=5cm + Leica M Monochrome (Typ 246)にて,いずれもjpeg撮って出しです。またいずれもY2 (イエロー)フィルターを装着しています。

LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / FUJINON L 1:2.8 f=5cm
F11.0, 1/125, ISO 1600 (-0.664EV)
Jan. 09, 2021
イエローフィルタが効きすぎてコントラストが強く出過ぎた感じです。逆光のわりにはコントラストが低下しておらず,また,暗部は潰れているようで意外に粘っています。絞っているのでそれなりにシャープですが,路面のアスファルトの質感はちょっと異質な感じです。

LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / FUJINON L 1:2.8 f=5cm
F2.8, 1/1500, ISO 320 (-1EV)
Jan. 09, 2021
開放ですが,派手にボケる,という感じではありません。背景ボケは少し硬く,二線ボケっぽくなっています。イエローフィルターの効果もあると思いますが,全体に硬質な印象です。
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / FUJINON L 1:2.8 f=5cm
F5.6, 1/60, ISO 320 (-1EV)
Jan. 09, 2021
被写界深度を稼ぎたくて2段絞って蛇口にピントをあわせています。蛇口の金属の質感はリアルですが,手前のステンレスの流台や調理台の質感は独特のものがあります。ダイナミックレンジは広そうです。

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