HEXANON AR 57mm F1.2 (その3)

 アンダーインフで無限遠はダメですが,近接から中距離程度はちゃんとピントを合わせられます。大口径レンズならではのふわっとした写りはさすがです。

ミノルタのMC ROKKOR-PG 58mm F1.2とどちらが好きかと言われると悩みます。Rokkorのほうが普通な感じで写るように思います。べつにHexanonがヘンなわけでもないし普通じゃないわけでもないのですが,画面から受ける印象はHexanonのほうがクドイのかもしれません。うまく表現できませんが。

以下は全部開放のF1.2です。逆光には非常に弱いし,ピント面のにじみも大きいし,光の状態によってはいかにも昔のレンズ,という画になりますが,うまく画作りに使えるようにも思います。

ILCE-7S / HEXANON AR 57mm F1.2
F1.2, 1/1600, ISO 100, WB (Auto)
Feb. 23, 2021
このレンズで撮った最初のカットがこれです。逆光でオントラストが大幅に落ちています。しかし,ファインダーを見て,きたぁー,って思うレンズはそう多くはありません。このレンズはファインダーを覗いた時,思わずきたぁーって言いたくなりました。

ピント面はお約束通りにじみまくっています。背景のボケもちょっと硬いし,2線ボケというよりは,色収差によるカラーフリンジが2線ボケのように見えてしまっているのかもしれません。隅のほうは口径食であからさまにラグビーボールのような玉ボケです。イマドキのレンズとしては何をとっても全部アウトな感じです。しかし,全体としてバランスが取れているようにも思います。

ILCE-7S / HEXANON AR 57mm F1.2
F1.2, 1/8000, ISO 100, WB (Auto)
Feb. 28, 2021
周辺光量落ちがハンパではありません。APCS-Cサイズだったらちょうどよい写りになったのかもしれません。ピント面はとても解像感があります。そのため立体感が感じられます。背景は青空なのですが,ちょっと昔の映画のような雰囲気です。

ILCE-7S / HEXANON AR 57mm F1.2
F1.2, 1/1000, ISO 100 (-1EV), WB (Auto)
Feb. 28, 2021
開放でもずいぶん解像感があります。日陰のほうがお得なレンズなのかもしれません。等倍で見てしまうとピント面も甘くにじんでいるしカラーフリンジも盛大に出ています。また,中央の花弁のハイライトは飛んでしまっているように見えます。

菜の花畑でのカットです。こういう画は大口径レンズが得意とするところです。しかし,ピントはどこに来ているのかまったくわからんくらいに滲んでいます。まぁ,それがよい,と言えばそのとおりなのですが。

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