LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.

Panasonic LUMIX G VARIO 1:3.5-5.6/12-32 ASPH. MEGA O.I.S. (H-FS12032)

マウント:m4/3
焦点距離:12-32mm (35mm判換算24-34mm)
開放F値:3.5-5.6
絞り羽根:7枚
レンズ構成:7群8枚
最短撮影距離:0.2m
最大撮影倍率:0.13倍
フィルター径:37mm
質量:70g (カタログ値)

2013年11月にLumix DMC-GM1とともに登場しました。GM1用の小型で軽量なキットレンズとしてセットで使われることが想定されたレンズです。沈胴式でレンズ収納時は厚さ1インチ(=25.5mm)にも満たないコンパクトさです。厚さを約24mmに抑えたのはアメリカで販売するときに1インチより薄い,ということをアピールしようとしたからでしょうか(考えすぎかな?)。
質量は100gをはるかに下回ります。このレンズを装着したDMC-GM1は300g足らず(スペック上は約274g)ですから,下手なコンデジよりも軽いのです。例えばPanasonicの1インチセンサーのコンパクトデジタルカメラのDMC-LX9は24-72mmのズームレンズ付きで310gですから,GM1の軽さは際立っています。望遠端が少し短いものの,レンズ交換式でこの驚異的な軽さにはこのLumix G 12-32mmが大きく貢献していることは間違いありません。

レンズを繰り出してもそれほど長くなるわけでもなく,コンパクトなままです。コンパクトなのに広角端を12mm (35mm判換算24mm)としたことはPanasonicの見識だと個人的には思います。小さくするなら広角端を14mmにしたほうが設計はずっとラクだったはずですが,それをあえて12mmからのズームとしたというのはある種のこだわりだったのだと思います。そういうこだわりが感じられるのは私はとても好きです。

このくらいコンパクトだといろいろなところに設計上の無理がでてきてどこか破綻するところがありそうなものですが,さすがに現代の設計だけあってバランスよく設計されています。というか,むしろよく写るレンズだと思います。

小さなレンズ交換式カメラはPanasonicのGM1, GM1sと続き,EVFつきのGM5がでてそのまま途絶えてしまいました。GM5のEVFは出来が悪い,という話はよく聞きますし,性能のわりに中古でもかなりコスパが悪いと思わなくもないのですが,GH5 Mark2を導入してでかいカメラへの反動で小さいカメラが欲しい病が発症し,ファインダーのないカメラは耐えられないので結果としてかなりボロボロのGM5を調達しました。GM5があるのに12-32mmがないのは落ち着かない,というわけのわからん理由をつけて結局,このレンズを調達しました。

以下,Lumix DMC-GM5 + LUMIX G VARIO 12-32mm/F3.5-5.6でjpeg撮って出しです。

DMC-GM5 / LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6
12.0mm, F3.5, 1/2500, ISO 200 (-0.33EV), WB (Auto)
Feb. 28, 2022, 13:59:53
春も近いとはいえ,まだ寒い日が続く時期です。空気も澄んでいるのですっきりした画になりました。広角のパースはしょうがないとして,樽型の歪曲があるので全体にグニュっと曲がった感じを受けてしまいます。小さなレンズなのでしょうがないのかもしれません。

DMC-GM5 / LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6
15.0mm, F3.7, 1/1300, ISO 200 (+0.33EV), WB (Auto)
Feb. 28, 2022, 14:04:06
このカットではあまり歪曲は感じません。これはただの偶然だと思いますが,直線の多い構図では歪曲が目立たないように工夫が必要なのでしょう。すごく解像しているわけではありませんが,過不足なくすっきり写っています。

DMC-GM5 / LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6
12.0mm, F3.5, 1/800, ISO 200 (-0.33EV), WB (Auto)
Mar. 19, 2022, 11:22:29
小さくて軽いので街中でのスナップにはとても使い勝手がよいレンズ(とカメラ)です。

DMC-GM5 / LUMIX G VARIO 12-32mm F3.5-5.6
12.0mm, F4.0, 1/4000, ISO 200 (-1EV), WB (Auto)
Mar. 19, 2022, 11:28:49
逆光では少しハレーションがでますが,そんなにひどいものではなさそうです。開放ということもありますが,解像感はそれほど高くありません。もちろん,不満があるレベルではないのでこれで十分です。暗部はあまり粘らないように見えます。

いろいろとトレードオフがあって小さなレンズを実現しているわけですから文句を言ってはいけません。種々のネガティブな要素とうまくバランスをとって設計されていると思います。

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