Carl Zeiss Sonnar 85mm F2 (Contarex) (その2)

前回に引き続いてSonnar 85mm F2による桃の里でのカットです。絞り羽の駆動がうまくできない個体なのであまり多くの画が撮れず,このレンズは今回でひとまず終了です。修理もままならないので,使いたくても使えない,というとてもストレスフルな状況ですが,なんとか修理ができれば,と思います。

ILCE-7S / Sonnar 1:2 f=85mm
85.0mm, F8.0, 1/160, ISO 100 (+0.7EV), WB (Auto)
Apr. 10, 2023, 13:41:22
丘の上から見下ろす盆地の斜面に桃が広がる様子をうまく画にできてませんが,春の空気が写ってます。というか,春の空気感が写っているというべきでしょうか。被写界深度が浅いので手持ちでのピントあわせは結構たいへんです。それほど寄っているわけでもないのに微妙にピンボケしています。でも,そんな細かいことは気にしなくてよいから画を見ろ,というZeissの主張が聞こえてきそうです。

ILCE-7S / Sonnar 1:2 f=85mm
85.0mm, F2.0, 1/1000, ISO 100 (+0.7EV), WB (Auto)
Apr. 10, 2023, 13:36:18
被写体までの距離が近いとちょっとした体の動きでピンボケしてしまいます。これはたまたまピントが来たぁ,ってカットです。ヘタクソな構図でも素敵な写りです。もうこれで十分って感じです。

ILCE-7S / Sonnar 1:2 f=85mm
85.0mm, F8.0, 1/60, ISO 160, WB (Auto)
Apr. 10, 2023, 13:49:41
次は桜です。自分的には狙いはよかったのだけど,またもやピンボケです。ちゃんと絞っているのにこれはなんともヘタクソです。絞っても背景はそれほどうるさくなく(ちょっとうるさいけど),太い幹のごつごつした質感も出ています。絞っているにしては被写界深度が浅いので,マウントアダプタの絞り環とレンズ側の絞り連動キーがちゃんと絞りを制御できずに絞り切れていなかったのかもしれません。もうちょっとピントがシャープだったら,と悔やまれます。残念。

ILCE-7S / Sonnar 1:2 f=85mm
85.0mm, F2.0, 1/1250, ISO 100 (+0.7EV), WB (Auto)
Apr. 10, 2023, 13:27:37
最後のカットは開放で桜。背景のボケは少しうるさく感じます。このたりのコントロールは難しい印象です。ピント面のまわりには少しだけハロがまとわりついていて柔らかい印象を与えているのかもしれません。光の状態に敏感に反応する,という意味でおもしろくもあり難しくもあるレンズです。イマドキのレンズでは良い意味でも悪い意味でもこういう描写はあり得ないので,このレンズの価値はこういう描写にあるのだと思います。

それにしても空気感までも写しとってしまうレンズ,素晴らしい。

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