Canon Zoom Lens 5x IS 8.8-44.0mm 1:1.8-2.8 (その4)

お仕事の記録のために持っていくカメラはたいていの場合,Canon PowerShot G5 X MarkIIです。以前は初代のPowerShot G7 Xを使っていましたが,少しずつ調子が悪くなっていたのでG5 X MarkIIがでたときに買い替えました。G7 Xよりもズーム域が広く,初代G5 Xと違って格納式のファインダーになってコンパクトになったので仕事用にちょうどよいと考えました。G7 Xより少し重くなったのですが,そこはトレードオフなのでしょうがないことにして見てみぬふりをしました。


Canon PowerShot G5 X Mark II
8.8mm, F4.0, 1/250, ISO 125, WB (0)
Mar. 15, 2024, 10:59:50.75+09:00

久しぶりに三陸鉄道の岩泉小本駅の近くに置かせてもらっている地震観測装置のメンテナンスに行くことにしたので,G5 X MarkIIを持っていきました。通常は,盛岡まで新幹線で行って,自動車を借りて岩泉町を横断して小本へ行くか,東京から機材を積んで直接自動車で行く,というパターンです。しかし,このときは,前日の夕方に宮古の三鉄の事務所というか本社で挨拶したあと,翌朝,小本で地震計のメンテナンスをして帰京するというスケジュールでした。そのため,盛岡から宮古までバスで移動し,小本へは三鉄を使うという公共交通オンリーで移動することを計画しました。工具や地震計を運ぶために大きなカバンが必要になりますが,それほど大きな荷物にはならないので大丈夫だろうと考えたました。

朝,宮古から三鉄に乗って小本まで移動し,駅近くの観測地点でメンテナンスをやりました。当初の計画では帰りは宮古行きの三鉄に乗ってバスで盛岡へ行く,というプランでしたが,メンテが想定よりかなり早く終わったので時間が余ってしまいました。調べてみると,宮古行きを待つよりも,すぐに来る久慈行きに乗って,久慈からバスで東北新幹線の二戸駅にでて新幹線で帰る方がかなり早く帰京できることがわかりました。

久慈行きの汽車が来るまであまり時間の余裕がなかったので地震計をトランクに納めてダッシュで岩泉小本駅へ戻り,久慈行きになんとか飛び乗ることができました。はからずも宮古から久慈まで三鉄の北リアス戦を全線走破することになりました。まさしく「あまちゃん」の世界そのものです。

2011年東北地方太平洋沖地震による津波で甚大な被害をうけた三鉄ですが,復旧にあたっては津波の影響を避けるために線路を高台にうつしているようで,トンネルも多く,また,高い堤防が海岸に沿って多く作られているため,三陸海岸の風光明媚な景色を楽しめる区間は限られていました。鉄道建設・運輸施設整備支援機構が復旧にあたったということです。鉄道・運輸機構は旧・日本鉄道建設公団と旧・運輸施設整備事業団の業務を引き継いでいますが,要するに新幹線を作る組織です。三鉄の復旧は新設に近いところも少なくないはずで,今,日本で鉄道をイチから作れる組織は鉄道・運輸機構の他にはない,ということもあったのでしょう。そのためかどうかわかりませんが,三鉄の復旧は非常に高規格で造られているように見えました。これは将来のメンテナンス費用を極力抑えるために初期投資は惜しまない,という合理的な判断によるものだと思われます。

三陸鉄道は南の盛から北の久慈まで通しで走る列車がありますが,車内の運賃表には盛からの運賃が表示されています。盛から久慈まで3780円で,ちょっとした旅行です。ちなみに岩泉小本から久慈までは1310円でした。

仕事では機材の運搬が必要なのでほぼ100%自動車を使いますが,このときは,はからずも久しぶりに地方の公共交通を使った大旅行になりました。

1枚目のカットはもうすぐ終点の久慈駅という車内です。岩泉小本をでたときはガラガラでしたが,久慈へ近づくにつれて高校生が乗ったり降りたりするようになり久慈に着く頃にはそれなりに混み合ってきました。地元の高校生にとっては三徹は重要な足だということがよくわかります。別にてっちゃんではないであろう高校生が一番前に立っていてシルエットになってちょっと黄昏た感じがよいと思いました。よくみると髪の毛やカバンのつり紐(?)の表面がきちんと解像していて質感も豊かです。換算24mmですが1インチセンサなので実焦点距離は短くパンフォーカスになるかと思ったら意外に被写界深度が浅い印象です。そのためほどよい立体感がでていて,もうこのカメラで十分じゃないか,という気になってしまいます。

Canon PowerShot G5 X Mark II
19.4mm, F4.0, 1/1250, ISO 125, WB (0)
Mar. 15, 2024, 07:47:17.32+09:00
朝の宮古駅です。岩泉小本へ向かう久慈行きの列車が出発するまでホームでぶらぶら写真をとって歩いていました。三鉄の車両の向こうの商業施設(たぶん,WINS宮古というパチンコ屋さん)の壁の大きな広告の視線が面白くてシャッターを切りました。もう少し落ち着いて右側の広告の視線も対称に入るように撮ればよかったとちょっと後悔しています。

Canon PowerShot G5 X Mark II
14.0mm, F2.2, 1/80, ISO 640, WB (0)
Mar. 15, 2024, 08:16:09.04+09:00
岩泉小本へ向かう途中の車内です。トンネルが多くあります。路線はかなりの高規格であるように見えます(そこを見るか?って話はおいておいて)。トンネルの出口は新しい世界に続くような気がして,結構,好きです。1インチセンサなのでISO感度が640になるとなんとなく画面が荒れた感じになってシャープさも失われています。でも,これはこれで雰囲気がでていてよいと思います。

Canon PowerShot G5 X Mark II
10.1mm, F6.3, 1/1600, ISO 125, WB (0)
Mar. 15, 2024, 11:08:44.32+09:00
九時駅です。跨線橋から今乗っていた三鉄の汽車を撮ってみました。写真の手前側が宮古側です。久慈は三鉄の北端です。汽車の後方へ伸びる線路は久慈からさらに北へ向かって八戸まで続きます。ここから北はJR八戸線です。絞っている割には全体に甘い感じがするのはひょっとしたらはやくも回析の影響がでているのかもしれません。1インチのセンサーで2000万画素もありますからフルサイズのα7sの1200万画素と比較するととても小さな受光素子で,回析の影響も大きくでやすそうです。

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