KONICA HEXANON AR 35mm F2

 KONICA HEXANON AR 35mm F2

マウント:AR
焦点距離:35mm
開放F値:2
絞り羽根:6枚
レンズ構成:7群9枚
最短撮影距離:0.3m
最大撮影倍率:
フィルター径:55mm
質量:320g (公称値)

Hexanon 35mm F2は小西六の最初の一眼レフカメラKonica F以来,最後までラインナップされていたレンズです。ネット上の情報によると,Konica Fマウントで1960年に登場したものの1965年のARマウントへの変更後も放置され,Autoreflex T3が登場する1973年頃にようやくARマウント版が登場したようです。Konica Fマウント版はほとんど幻のレンズといってよいと思われます。

ARマウントの35mm F2は最初,金属製の距離環をもつEE版として登場し,その後,他のレンズと同様にゴム巻きの距離環に変更され,AE版に更新されます。Konica Fマウント版ほどではないにしても,ARマウント版も生産数はかなり少ないようで(言いかえると全然売れなかったってことかと...),オークションサイトでもあまり見かけません。もっともレアだからといって高値でも売れるわけでもなく,なんだか微妙な位置付けのレンズです。

手元の個体は,金属ローレットのついたEE版です。外観は結構きれいですが,ヘリコイドの動きは少し引っ掛かりを感じることがあるので必ずしも調子がよいわけではありません。また貼り合わせレンズのバルサム切れも少し進行しているように思います。そもそもタマ数が少ないので状態の良いものを見つけること自体が難しいのでしょうがないんだろう,と思っています。

以下のカットはいつものようにILCE-7sに装着してjpeg撮って出しです。レンズの状態が必ずしも万全ではないので本来の写りではない可能性はかなり高いと思っています。

ILCE-7S / HEXANON AR 35mm F2
35.0mm, F2.8, 1/2500, ISO 100 (+0.7EV), WB (Auto)
Apr. 16, 2023, 10:42:46
菜の花です。このカットはどこかヌメっとしていて空気の粘性が高いような重苦しい,ベタついた感じの画です。この雰囲気はHexanon AR 40mm F1.8でも感じたのとまったく同じ感じです。露出をマイナス補正するとヌメりというか粘性が高くなる感じがありますが,このカットのようにプラス補正でもヌメヌメしています。なんか不思議な感覚です。1段絞っていますが中央付近のピント面はシャープで立体感も感じられます。


ILCE-7S / HEXANON AR 35mm F2
35.0mm, F2.8, 1/2000, ISO 100, WB (Auto)
Apr. 16, 2023, 10:48:22
ツツジです。昨年の春は妙にツツジがあちらこちらで綺麗に咲いていた記憶があります。画面下中央の花にピントを合わせていますが,画面の下端はかなり像が流れている感じです。1段絞っていてもまだまだ周辺部の像は安定しない雰囲気です。

ILCE-7S / HEXANON AR 35mm F2
35.0mm, F2.8, 1/400, ISO 100, WB (Auto)
Apr. 16, 2023, 10:40:45
隣家の擁壁に張り付いている蔓性の花ですが,名前はよくわかりません。春になると可憐な花をつけます。花と葉が小さくてごちゃごちゃしがちですが,予定通りごちゃごちゃした画になっています。でも,ピント面はしゃっきりしているし水滴の質感もリアルです。ちょっと重苦しい空気のヌメヌメ感を感じます。

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