smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited

Ricoh Imaging smc PENTAX-FA 1:1.8 77mm Limited

マウント:KAF
焦点距離:77mm
開放F値:1.8
絞り羽根:9枚
レンズ構成:6群7枚
最短撮影距離:0.7m
最大撮影倍率:0.14倍
フィルター径:49mm
質量:270g (カタログ値)

FA Limitedレンズの3本目の77mm F1.8です。FA Limitedレンズがリリースされた順番からいえば2番目で,3本目というのは鶴岡八幡宮でのカットを並べるにあたってたんに31mm, 43mm, 77mmの順番に並べたから77mmは3本めになった,というだけの話です。43mm F1.9が成功したのでイケイケでLimitedレンズがシリーズ化されて,第二弾として77mm F1.8が1999年1月に登場しました。Limitedシリーズのレンズは当時のレンズとしてはかなりの高級レンズだったと思います。鏡筒のつくりなどにこだわった高級感と小型で凝縮感のあるレンズです。解像度ではなく写りの良さを感性で判断するというなんとも難しいポリシーで製品化されていますが,現代の解像度一辺倒のレンズの対極をいくレンズだと思います。

そのため,20年以上におよぶロングセラーとなったのだと思います。その後,コーティングをsmcからHDに変えた後継モデルがでています。このようなロングセラーが実現したのは,フィルム時代からマウントが変更されなかったことも大きかったでしょう。また,カメラメーカーとしての体力がなくなって新製品の開発スパンが広がるとともに,ミラーレス一眼カメラが台頭するともはや新型レンズを開発することそのものが困難になってしまい,結果として同じレンズを継続して販売せざるを得なかった,という事情もありそうです。

既に25年前のレンズですが,ある意味,普通に現役であるというのは色々な意味で考えさせてくれます。鶴岡八幡宮でK-1 MarkIIに装着していつものようにjpeg撮って出しです。

PENTAX K-1 Mark II / smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited
77.0mm, F5.6, 1/250, ISO 100 (+0.7EV), WB (Off)
Jul. 08, 2024, 11:50:55
蓮池です。風が強くて旗が大きく動いてなかなかピントを合わせられませんでした。いまどきのミラーレスなら追尾AFなんかでピントを追い続けられるのかもしれませんが,残念ながらK-1にはそんな芸当はできません。一眼レフで撮るってのはまぁ,そういう不便も許容する,ってことなのでそれでよいのだと思います。なんてことのない下手くそな画ですが,立体感があって旗のシワの質感がとてもリアルに感じられます。

PENTAX K-1 Mark II / smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited
77.0mm, F5.6, 1/500, ISO 200, WB (Off)
Jul. 08, 2024, 11:52:05
蓮池までちょっと距離があって中望遠で撮ってるわりには標準レンズの画角のようなさっぱりした印象の画になってしまいました。このくらいの焦点距離だと圧縮効果もあまりないことも関係しているかもしれません。日の丸構図ですが,さすがに真ん中にちゃんとピントきています。階調も豊かでボケも滑らかです。

PENTAX K-1 Mark II / smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited
77.0mm, F4.0, 1/1600, ISO 200, WB (Off)
Jul. 08, 2024, 11:45:46
F4に絞っていますが,遠景はシャープで山門はとても解像感があります。山門右側の松の木の葉もちゃんと解像しているように見えます。左手前の人物は前ボケになっていますがとても自然なボケです。素晴らしい。

PENTAX K-1 Mark II / smc PENTAX-FA 77mm F1.8 Limited
77.0mm, F5.6, 1/320, ISO 100 (+0.7EV), WB (Off)
Jul. 08, 2024, 11:48:21
ふたたび蓮池です。FA Limitedシリーズのカットはひとまずこれが最後です。ピント面の葉のリアリティが素晴らしく,手にとるとざらざらした触感が感じられそうなリアリティです。滑らかな階調と葉の輪郭の浮き立つような立体感に目を見張ってしまいました。中望遠レンズなので立体感を表現しやすい,ということを差し引いても素晴らしいレンズだと思います。

FA Limitedシリーズの3本のレンズは今回でひとまず終了です。

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