HEXANON AR 40mm F1.8

KONICA HEXANON AR 40mm F1.8
マウント:AR
焦点距離:40mm
開放F値:1.8
絞り羽根:6枚
レンズ構成:5群6枚
最短撮影距離:0.45m
最大撮影倍率:
フィルター径:55mm
質量:141.81g (実測値)

 コニカのARマウントのレンズの中でも有名な部類に含まれるレンズだと思います。いわゆるパンケーキ型で非常に厚みが薄い鏡筒です。普通のパンケーキ型レンズは3群4枚後世のテッサータイプがほとんどですが,このレンズは5群6枚のウルトロン型(変形ガウス型)です。薄い筐体によくもそれだけレンズを詰め込んだ,と思わせるレンズ構成です。でもって,パンケーキ型レンズとしては破格に明るい開放F値と,普通に45cmまで寄れる最短撮影距離を実現しており,作り手のこだわりを感じさせてくれます。

1979年に発売されたコニカの一眼レフ機であるFS-1のセットレンズとして共に発売されています。セットレンズなのでそれほど高級品ではなかったはずです。しかし,セットレンズがレンズ沼の入り口ですので,セットレンズはそれなりの性能がなければカメラシステム全体の評価を落としかねないこともあって手抜きはできない,という難しい位置づけにありました。そこへ50mmではなく40mmを投入してきた,というのも当時のコニカが独自性を出そうとしていろいろ考えていた,ということなのだと想像されます。

あまりよい状態の個体は見つかりにくいようで,ここで使っている個体もそれほど状態がよいわけではあrません。逆光で大暴れするのはコーティングがダメになっているからかもしれません。

このレンズに関するウンチクはこちら

以下,ヘリコイドつきのLeica M --> Sony Eマウントアダプタを使ってHEXANON AR 40mm F1.8 + Sony a7sで,いずれもjpeg撮って出しです。

ILCE-7S / HEXANON AR 40mm F1.8
F1.8, 1/800, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Dec. 07, 2020
50mmに比べるとやや広角寄りなので開放F値がいくら明るいF1.8だといっても背景はボケボケではなくほどよく残ります。斜光や順光の条件では安定した写りですが,a7sの自動呂しゅつだとやや露出オーバー気味でコントラストが低くなるように思います。少しアンダー目に露出補正をすると色もほどよくでてきます。それでも,色はあっさりした感じです。

ILCE-7S / HEXANON AR 40mm F1.8
F1.8, 1/400, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Nov. 22, 2020
解像度が高いかと言われると全然そんなことはありません。開放はかなり甘いですが,それでも蜘蛛の糸はちゃんと写っています。質感は自然に表現されるので解像感があるように感じてしまうことがあるように思います。また,ハイライトはハロがまとっていて完全に飛んだようにみえますし,ハイライトには紫色のカラーフリンジが盛大に見えます。

ILCE-7S / HEXANON AR 40mm F1.8
F11.0, 1/250, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Nov. 22, 2020
絞ると引き締まった画になりますが,パキパキになるというわけではありません。どこかおっとりしたような,角が落ちたような写りです。その一方で,レンガ風味のタイルや金属(銅?)の装飾的な壁などの質感を描き分けています。

ILCE-7S / HEXANON AR 40mm F1.8
F11.0, 1/320, ISO 100, WB (Auto)
Dec. 07, 2020
絞って青空を撮ると埃がやたら目立ちますが,古いレンズではしょうがないと目くじらを立てないのが平和です。避雷針やアンテナのように細いものの淵には色収差の影響がみえるようです。a7sは解像度が低いセンサーなのであまり気になりませんが,高解像度のセンサーで撮って等倍で見ると目立つのかもしれません。まぁ,だからといって写ったものを普通に鑑賞するぶんにはどうでもよいことなのですが。

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