HEXANON AR 40mm F1.8 (その2)

 HEXANON AR 40mm F1.8は,というか手持ちの個体は逆光にはめっぽう弱くて光源が入るとすごいことになります。マウントアダプターが迷光に弱いだけなのかもしれませんが,これまで使ってきたARマウントのHexanonレンズではこのレンズのようなすごいことにはなりませんでしたので,レンズの特性か,この個体のコンディションが原因だと思われます。

小さな鏡筒にレンズをたくさん詰め込んでいて,張り合わせレンズもあるので逆光に弱い,ということは想像しやすいのですが,1970年代に設計されたレンズとしてはちょっとすごいものがあります。

ILCE-7S / HEXANON AR 40mm F1.8
F1.8, 1/800, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Nov. 22, 2020
フードなし,ハレ切りなし,だとゴーストががっつり入ります。コントラストも低下して何が写っているのかわからん感じです。フィルム時代だと,現像してから,あぁっ,ってなったに違いありません。

ILCE-7S / HEXANON AR 40mm F1.8
F1.8, 1/400, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Dec. 07, 2020
光の状態が異なる別の日に同じ場所で撮ったものです。フードをつけて左手でハレ切りして右手でカメラを構えています。軽い初代のα7Sだからできる技(?)です。なんとか普通に写っているように見えます。しかし,光があたっていてかつピント面からはずれている枯れ葉の表面は紫色に輝いていて異次元の世界を垣間見せてくれます。色収差がかなり多く残っているのでしょう。いろいろと制約の多いレンズですから,色収差の補正には妥協があったと思われます。

ILCE-7S / HEXANON AR 40mm F1.8
F1.8, 1/1600, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Nov. 22, 2020
もう一枚,逆光で。レンズの形(?)のゴーストが画面いっぱいにでています。何か,宇宙から飛んできたんじゃないか,くらいの勢いです。これもフードなしです。

ILCE-7S / HEXANON AR 40mm F1.8
F1.8, 1/1600, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Dec. 07, 2020
上のカットと同じ場所で,光の状態が異なる別の日のカットです。フードをつけて,光が直接入らないようにレンズの向きを調整しています。直接光がはいらなければ,陰影がでて独特の雰囲気になります。被写界深度はそれほど浅くはないのですが,焦点距離が40mmということもあって,前後のボケはあまり大きくありません。というか,開放で中距離,という撮り方ではなんだか中途半端でよくわからない画になっています。これならがっつり絞って全部カチッと撮った方がよいかもしれません。

いろいろな意味でいろいろなことが言われているレンズですが,使いこなしは難しそうです。光の状態による画の振れ幅が大きいことは間違いなく,状況を選ぶレンズということはありそうです。その分,ハマると他では得られない画が得られる可能性もあります。

もう少し,いろいろ撮ってどんな画がでてくるのか見てみたいと思います。

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