HEXANON AR 40mm F1.8 (その7)

 お散歩でみた夢じゃないかと思うようなふわふわした写真をいくつか。このレンズを使っていてオーバーな露出で撮ろうという気にはなかなかなりません。少しでも露出オーバーになるとコントラストが著しく低下して全体に真っ白な画になってしまいます。ただ,それを長所として使うとなんだかわかりませんがふわふわして夢の中のような画になります。これはこれでおもしろいし,他に得難い芸,ともいえます。


ILCE-7S / HEXANON AR 40mm F1.8
F1.8, 1/250, ISO 100 (+1.3EV), WB (Auto)
Nov. 29, 2020
この画をオーバーで撮ろうと強く意図したわけではないのですが,半逆光で葉が暗くならないように少しだけオーバーにして,オートブラケットで撮ったうちの一番オーバー露出のものがこのカットです。もう,全体がハレーションの中というか,コントラストががっつり落ちてしまってまるで夢を見ているような画になりました。これはこれでいいのかも,と思ってしまいます。解像感とかどうでもいいよね,と思わせる何かよくわからんオーラがでてます。

ILCE-7S / HEXANON AR 40mm F1.8
F1.8, 1/500, ISO 100, WB (Auto)
Nov. 29, 2020
もうひとつ,夢の中です。確かに逆光でしたが,ここまでコントラストが落ちてふわふわした画になるとは想定外でした。画面に写っている人たちも地に足がつかない,というかなんか現実のものとは思えないような雰囲気です。ピントは手前の灯篭にあわせていて,確かにピントも来ていますが,それ以上にコントラストの低下が激しくて混沌とした世界になっています。

ILCE-7S / HEXANON AR 40mm F1.8
F1.8, 1/800, ISO 100, WB (Auto)
Nov. 29, 2020
上のカットの灯篭のすぐ後ろにあるイチョウの大木の足元を順光で撮っています。順光になった途端に描写が一変してシャキッとした表情を見せます。木の幹のごつい質感と落ち葉の薄い質感が適切に同居していて,上の2枚のカットのようなふわふわ感はどこにもありません。

HEXANON AR 40mm F1.8というレンズはつくづく光を選ぶレンズだと思います。使いこなしがおもしろいというか,難しいレンズということなのでしょう。このレンズを設計した人はどういうシチュエーションを前提に設計したのか,とても興味が湧いてきます。

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