HEXANON AR 28mm F3.5

KONICA HEXANON AR 28mm F3.5
マウント:AR
焦点距離:28mm
開放F値:3.5
絞り羽根:6枚
レンズ構成:7群7枚
最短撮影距離:0.3m
最大撮影倍率:
フィルター径:55mm
質量:210.45g  (実測値)

コニカのARマウントの広角レンズです。開放F値は3.5と控えめで,あまり無理をしていないからか,よく写るレンズ,という評価のようです。コニカのARマウントレンズ,というか一眼レフに関する情報はあまり多くはありません。基本,コニカのレンズは地味ですが,そのなかでもこの28mm F3.5は地味です。

コニカの一眼レフカメラがARマウントに変更になった当初からラインナップされていたレンズですが,最初期型は6群7枚,その後,7群7枚に変更され,最後期型は5群5枚のレンズ構成だったようです。この個体は7群7枚構成のレンズでEEタイプでクロームリングがついた最後,前面の銘板にARの文字が入った最初の世代に相当すると思われます。

この時代のレンズにありがちなように逆光には弱いのですが,光の状態によってはゾクッとするような画を吐き出すことがあります。そういう意外性が古いレンズの面白さではあるのですが,その分,ダメダメな失敗も量産することになります。

これまでにいくつか使ってみたコニカのARマウントのレンズはそういう意外性が大きいような気がしています。

このレンズに関するウンチクはこちら。

以下,ヘリコイドつきのLeica M --> Sony Eマウントアダプタを使ってHEXANON AR 28mm F3.5 + Sony a7sで,いずれもjpeg撮って出しです。

ILCE-7S / HEXANON AR 28mm F3.5
F3.5, 1/250, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Feb. 04, 2021
等倍でみると必ずしも解像度が高いわけではないのですが,ピントがきている中央付近はそれなりに解像感があります。光があたっている葉っぱもカラーフリンジがまとわりつくこともなく自然に写っています。これはHEXANON AR 40mm F1.8と比べてもかなりまともな写りです。もちろん,開放F値が暗い,ということもあるので直接比較してはいけない話かもしれません。背後の点光源の玉ボケは輪郭があるシャボン玉ボケになっています。広角レンズなのでとても小さなシャボン玉です。端のほうは口径食の影響で少しレモン型のボケになっています。

ILCE-7S / HEXANON AR 28mm F3.5
F3.5, 1/640, ISO 100 (+0.7EV), WB (Auto)
Feb. 04, 2021
タイルの貼り方の方向が異なる部分にピントをあわせています。開放のはずですが,背景も前景も全然ぼけていません。ひょっとしたら絞り値のメモを間違えたのかもしれません。ほどよい解像感のやわらかい写りです。

ILCE-7S / HEXANON AR 28mm F3.5
F11.0, 1/320, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Feb. 04, 2021
この個体は無限遠があっていないようで距離環の指標が3mくらいで無限遠になってしまいます。マウントアダプタの精度も怪しいので何が悪いのかわからないところもありますが,絞ったからといって適当にシャッターを切ると無限遠がきていないダメダメな画になってしまいます。埃が写っているのは毎度のこととして気にしたら負けです。レンガ風のタイルや銅板の屋根はよく解像していてシャープ,かつ質感が自然です。しかしやはりガチガチではなく少し柔らかめで落ち着いた印象です。

ILCE-7S / HEXANON AR 28mm F3.5
F3.5, 1/400, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Feb. 10, 2021
これは上の3枚のカットとは場所が少し違います。最短撮影距離が30cmでそこそこ寄れるレンズですが,この個体はかなりオーバーインフなので実際にはもう少し寄れてしまうかもしれません。このカットはそんなに酔っているわけではありませんが,このくらい近距離だとそれなりに背景がボケます。広角だしF3.5なので被写界深度はそれなりに深くて前後ともに滑らかかつゆるやかにボケていきます。背景の森を見ると少しうるさく感じられますが,広角なのでしょうがないように思います。それよりも陽があたってピントが来ているところが妙に軽やかな感じで,この画にはよくあっているように思います。

コメント