FUJINON LENS 4.0x f=6.4-25.6mm 1:1.8-4.9 (その2)

FujifilmのXQ2の続きです。このページの最初の2枚は娘が撮ったもの,後ろの2枚は私が撮ったものです。被写体の力が全然違うので娘にボロ負けしているのが辛いところです(たんなる言い訳ですが...)。

FUJIFILM XQ2
F4.2, 1/85, ISO 100, WB (Auto)
Apr. 11, 2018
たぶんヴェネチアのお土産屋さんの店頭で商品を撮ったものだと思います。この画は微妙にフレーミングが甘くて萎えるところもあるのですが(あと一歩前に踏み込んでくれ,と言いたくなってしまいます...),ある意味,富士フィルムのカメラの真骨頂を示しているように思います。カメラのカタログの写真にこれと似たようなカットがあったとしても不思議ではない,と思うくらいです。鮮やかかつ自然な色合いとおそらくベイヤー配列ではないセンサーによる滑らかな描写によるガラスの透明感や質感表現は富士フィルムのカメラならでは,で他には得難いものがあります。2/3インチの小さなセンサーが吐き出した画だとは思えないとまで言うと言い過ぎかもしれませんが,このカットをみて富士フィルムすげぇ,と思いました。

FUJIFILM XQ2
F1.8, 1/30, ISO 200, WB (Auto)
Apr. 16, 2018
こちらはたぶんフィレンツェのどこかの教会の中です。ステンドグラスの色が相当にイケてます。手前のマリア様(たぶん)の像はハイライトが飛んでしまってますが,自動露出なのにギリギリを狙ってくる富士フィルムのアルゴリズムは実にアグレッシブです。よく見ればフレーミングが甘いぃ,とお小言を言いたくなるのですが,被写体の力とカメラの表現力に黙らされてしまいます。XQ2ってこんなにちゃんと写るんだ,というのを再確認しました。

FUJIFILM XQ2
F1.8, 1/6, ISO 800, WB (Auto)
Jul. 26, 2017
このカットと次のカットは私が自分で撮ったものです。暗いところを高感度(といってもISO 800)で撮った例です。水銀灯などの難しい光の条件でそれらしいホワイトバランスで撮れちゃうところはさすが富士フィルムのカメラだと思います。縮小した画像ではわかりにくいですが,空は一面ノイズの星で埋まっていて,高感度耐性がダメダメであることがわかります。2015年頃の小さな高画素センサーという条件を考えると特別ダメということはなく,むしろよく頑張っているほうだと思います。でも,普段からフルサイズ,しかもα7Sのような高感度耐性番長みたいなカメラを使っているとXQ2の吐き出すISO 800の画にはかなり萎えてしまいます。繰り返しますが,センサーサイズとその開発時期を考えれば決して悪いわけじゃないのですが,絶対的な能力の限界は明らかであるということです。

FUJIFILM XQ2
F2.5, 1/30, ISO 250, WB (Auto)
Jul. 09, 2021
娘がロシアへ出張へ行くときにもXQ2を持っていくことになっていたのですが,彼女は家を出る時間になっていつもと同様にドタバタと慌てていました。慌てたために部屋の中でXQ2を床に落としてしまい,打ち所が悪くて液晶画面が割れてしまいました。写真は撮れるのですが,液晶画面の左半分がブラックアウトしてしまって,フレーミングがまったくといってよいほどできなくなってしまいました。そのため,やむなく放置していたのですが,ふと思い立って改めて撮ってみたのがこのカットです。液晶が割れて見えない部分は適当に妄想したうえで少しずつカメラの向きを変えながら闇雲にシャッターを押したなかの一枚です。偶然ですがほどよくハルちゃん全体がフレームにおさまっていて,かつピントもきてます。偶然の産物ですが,ちゃんと写ってます。色も自然ですし,毛なみのふわふわ感もよくでています。ISO 250ですが,さすがにノイズが目立つということはありません。運が良ければISO 400でもノイズが目立たないように撮ることは可能だと想像します。いずれにしても,よく写るし,カメラの性能の違いを検討できる程度には十分な性能が出ていることは称賛に値します。

コメント