smc PENTAX-A 50mm F1.2 (その2)

旭光学の大口径標準レンズ50mm F1.2の続きです。このレンズをつけてPENTAX LXのファインダーをのぞくと,あっ,と声が出そうになるくらい気持ちの良いファインダー像です。

日頃はSony α7sのEVFをのぞいていますが流石に見え味が全然違います。もう一台のα7 iiiのEVFはα7sよりもさらに酷くてどんなによいレンズを付けても出来の悪い昔のTVを見ているような気になってきます。EVFなら拡大表示もできてピントの確認もできるので使い勝手はとてもよいのですが,見たときの気持ちよさは一眼レフの光学ファインダーには遠く及びません。

ただ,最近のEVFはとても進化してとても自然に見えるようなので,一眼レフの優位性もどんどん失われてきているのかもしれません。

以下のカットも前回と同様にPENTAX LXにKodak ColorPlus 200を入れて撮影し,フジカラーCDでデジタイズしたものです。 

PENTAX LX / smc PENTAX-A 1:1.2 50mm
50.0mm, F2.0, 1/1000, ISO 200 Kodak ColorPlus 200
Oct. 23, 2021
フィルムのラチチュードの限界もあって白飛び黒潰れをきっちりしています。しかもピントをあわせたハイライトで白飛びさせてるって,よっぽど下手くそです。マニュアル露出で撮っているのだから,ちょっとは考えろ,という話なのですが,20年ぶりのフィルム撮影ではそういう当たり前のお作法も頭から抜け落ちていました。ほどよいボケで雰囲気はでていると思います。

PENTAX LX / smc PENTAX-A 1:1.2 50mm
50.0mm, F2.8, 1/2000, ISO 200 Kodak ColorPlus 200
Oct. 23, 2021

背景の東屋に座る人物のシルエットがわかるように軽くボケればよい,と思ったのですが,もう少し絞るべきでした。プレビューボタンが付いているのだから絞り込んで被写界深度を確認してからシャッターを押せばよいのに,横着をしたのがバレバレです。しかし,結果として意外にも立体感と解像感がうまくでてよかったかな,と自分を納得させてしまいます。色収差がでそうな環境ですが,フィルムでは全然気になりません。デジタルで撮ると全然違うのかもしれません。

PENTAX LX / smc PENTAX-A 1:1.2 50mm
50.0mm, F1.2, 1/4, ISO 200 Kodak ColorPlus 200
Oct. 23, 2021

建物の内部はかなり暗いので,こういうときは大口径レンズは便利だと普通に思います。当然被写界深度も浅くなるので周りがボケボケで何のどこを切り出したのかよくわからん,ということになりがちです。このカットも右手前が柱だってことがわからないくらいボケてます。

PENTAX LX / smc PENTAX-A 1:1.2 50mm
50.0mm, F1.2, 1/2000, ISO 200 Kodak ColorPlus 200
Oct. 23, 2021
完全に逆光でハレーションが凄いことになってコントラストが大幅に低下しています。構成レンズの枚数がそれほど多いわけではないですが,やはりこの時代のレンズらしい逆光耐性です。本当はこんなことにならないように撮り手が工夫して撮るべきなのでしょうが,こういう画もたまには面白いとも言えます。

PENTAX LX / smc PENTAX-A 1:1.2 50mm
50.0mm, F1.2, 1/2000, ISO 200 Kodak ColorPlus 200
Oct. 23, 2021
これも開放で近景なので被写界深度が薄く,ピント合わせがたいへんです。手持ちで私の技術ではこの程度が限界です。自分としてはよく頑張ったと思いたいところです。背景の建物が完全にボケて単なる暗いバックになったおかげでハイライトが浮かび上がっています。前ボケもそれほどうるさくないので積極的に前ボケを使えそうです。

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