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Roeschlein KreuznachのTELENAR 1:5,6/13,5cmの続きです。焦点距離135mmで開放F値が5.6のレンズでフィルムの時代にどうやって写真を撮っていたのか少し考え込んでしまいます。カラーフィルムの末期は高感度フィルムの粒状性もよくなってISO 400は普通に使え,ISO 800も当たり前に使えました。ですから少々暗いズームレンズでもあまり大きな障害はなかったように記憶しています。Telenarが現役だった1950年代後半から1960年代前半はモノクロフィルム全盛時代だったはずです。初期のカラーフィルムに比べれば当時のモノクロフィルムの粒状性や感度はずっとよかったはずですが,それでもISO 400 (たぶん,当時はASA 400と言っていたはず。懐かしい)はそれなりに高感度フィルムだったはずです。Paxetteのような大衆カメラ(と言っても高価だったはずです)を使う人の多くはおそらく深く考えずにISO 50か100くらいのモノクロフィルムをカメラに詰め込んで使っていたはずです。
開放のF5.6でもISO 100のフィルムだと晴天の屋外で1/250から1/500くらいのシャッタースピードが適当だと思われます。コントラストを上げるためにY2フィルタを使うと露出倍数が1段かかりますから,1/125から1/250くらいのシャッタースピードです。1/125だと135mmレンズで手ブレせずに撮影できるギリギリです。初期のPaxetteはピント合わせは完全な目測でしたので,被写界深度を稼ぐために絞りを1段絞ってF8にしたりするとシャッタースピードはさらに半分になってしまいます。日陰が含まれるような構図では手振れをしてしまう可能性がかなり高くなります。開放でピンボケ写真を量産するのか,1段絞って手ブレ写真を量産するのか,ある意味,究極の選択です。
今でこそ,デジタルカメラでISO感度を自由に変えて写真が撮れますから,暗ければISO感度をあげればよいだけですし,カメラによってはボディ内手振れ補正までついていますので手ブレの心配もなく遅いシャッターを切ることができます。そういう便利さに慣れてしまってそれが普通だと思って写真を撮っています。1950年代から60年代のカメラが大衆化に向かう時代にカメラを使っていた人たちは今とはまったく違う感覚で写真を撮っていたのだろう,と考えさせられます。
だからといってどうだ,という話は何もないのですが,レンズ一本でいろいろと楽しめてしまいます。
以下は室内でこのレンズを使ってみた例です。ステレオタイプと言われるかもしれませんが,モノクロ 時代のレンズはコントラストよりも階調を重視するようなところがあるためか,モノクロで撮ったほうがよい感じであるように思います(と言いつつ,カラーでは一枚も撮ってないのですが...)。
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / TELENAR 1:5,6/13,5cm F5.6, 1/500, ISO 320 (-0.332EV), Y2 filter Mar. 12, 2022 |
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / TELENAR 1:5,6/13,5cm F5.6, 1/30, ISO 5000 (-0.332EV), Y2 filter Feb. 23, 2022 |
お食事中のハルちゃんです。食べている間はあまり動かないのでピントをゆっくりあわせてシャッターを切ったところで突然振り向いたのでピンボケ,手ブレ,被写体ブレの三重苦な画になりました。どういう角度から見ても典型的な失敗写真以外の何者でもありません。しかし親バカなのでハルちゃんの写真はなんでもOKなのです。きっとこのレンズの現役時代にPaxetteを使って室内かつ目測で撮影したならば,こんなカットばかりだったんじゃないか,と勝手に想像しています。
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / TELENAR 1:5,6/13,5cm F5.6, 1/125, ISO 2000 (-0.332EV), Y2 filter Mar. 12, 2022 |
Leica
Leica M
Leica M246
M Monochrom (Typ 246)
M39
Paxette
Roeschlein Kreuznach
TELENAR 1:5.6/13.5cm
ストック
デルフィニウム
ハル
モノクローム
水仙
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