STAEBLE-LINEOGON 35mm F3.5 (その3)

STAEBLE-LINEOGON 35mm F3.5はひとまずこれでお終いです。次回からはまた性懲りもなくHexanon 57mm F1.4に戻ります。F8くらいだとちょっと甘い感じが残っていましたが,F11まで絞るともう少しカチッとした写りになるようです。レンジファインダーカメラの距離計の精度を考えればある程度絞るのは想定内だとしても,F11まで絞らないと解像感が得られないとするとちょっと考えてしまいます。イマドキレンズに甘やかされているだけなのかもしれませんが。

LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / LINEOGON 1:3.5/35
35.0mm, F11.0, 1/250, ISO 320 (-0.332EV)
Nov. 07, 2021, 10:05:14
中距離程度まで寄って,F11まで絞るとレンガ風タイルと銅葺(?)屋根の質感の違いも多少はわかるようになりました。F11まで絞っても四隅の流れを別にするとこのくらい写るなら「普通のレンズ」と言ってよさそうです。

LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / LINEOGON 1:3.5/35
35.0mm, F3.5, 1/750, ISO 320 (-0.664EV)
Nov. 07, 2021, 09:59:20
開放です。コントラストが足りない気がしますが,現像の加減で改善するはずです。ピントはレンガ敷の模様が円弧状になっている部分の中央付近を狙っています。狙ったところにはいちおうピントは来ていますがその前後からすぐに大暴れしています。端のほうは流れまくってますし,遠景のボケは固くてゴワゴワしています。これらの収差を表現としてうまく活かせるならよいですが,私には無理です。空の階調も飛んでます。普通に写る時もあるのにこのカットのように暴れまくることもあります。でもって,ノイズの再現性がよくわからん,という色々な意味で消化不良を促進してくれるレンズです。

LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / LINEOGON 1:3.5/35
35.0mm, F11.0, 1/750, ISO 320 (-0.664EV)
Nov. 07, 2021, 10:07:58
せっかく現像するなら,暗部をもっと持ち上げてもう少しわけのわかる画にしろ,という気がします。暗部は完璧に潰れているわけではなく,一応はちゃんと写っています。暗部は思いの外ねばるレンズのようです。撮像センサーに反射した迷光なのか色々と余計な光が写っています。 

LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / LINEOGON 1:3.5/35
35.0mm, F11.0, 1/125, ISO 400 (-0.664EV)
Nov. 07, 2021, 10:17:39
とりあえずの締めのカットは柿です。絞っていますがピントの山はよくわかりません。なんとも気まぐれなレンズです。柿のハイライトは飛んでます。もう少し露出を切り詰めて柿のグラデーションが出るようにすべきでした。しかしそうすると暗部が潰れてしまうので難しいところです。

古いレンズを使うにはレンズの許容範囲が狭いところを撮り手がうまくカバーしてやらねばならないのでいろいろと考えさせられます。確かに,レンズもカメラも高性能になったおかげで最近は考えなくてもちゃんと撮れてしまうのですが,その結果,撮り手の知恵が失われてしまったのかもしれません。そんなことを考えさせてくれるレンズです。

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