Canon Zoom Lens 5x IS 8.8-44.0mm 1:1.8-2.8

またも意味不明なレンズ銘ですが,Canonのレンズ一体型カメラであるPowerShot G5 X Mark IIのレンズです。

これまでお仕事用には同じCanonから2014年10月に発売されたPowerShot G7 X (初代)をずっと使い続けていました。たぶん発売後,比較的すぐに調達したと記憶しています。ですので少なくとも7年はお仕事の最前線で使っていたはずです。G7 Xはその後,Mark II (2016年),Mark III (2019年)と続きますが,初代を使い続けていました。

しかし,ある時,台湾出張中に食事をしていてレンズの前のレンズバリアの上に油を落としてしまったのです(あぶらっこいものが多いので...)。レンズバリアは絞り羽根と同じ構造で数枚の羽根が重なり合ってバリアを構成しています。そのため,羽根の重なり部分の隙間は非常に狭く,毛細管現象で油は奥の方まで回ってしまいます。そうすると,粘性が高い油のために羽根が互いに密着して,電源投入時にバリアが開かなくなってしまったのです。吸収性の高い紙を使って少しずつ油を吸い取っては拭うということを繰り返し,時間をかけて掃除をして,多少は改善しましたが,それでもバリアが途中でひっかかって完全に開かないまま写真を撮ってしまって周囲がケラれているという悲しい事態が繰り返されました。

さすがに,お仕事用のカメラでこれはアカンので止むを得ず新しいカメラを調達することにしたのです。素直にG7 X Mark IIIでもよかったのですが,III型になって動画配信用に方向付けされて,スチル用としてはなんだかなぁ,というのでちょっと手を出しあぐねていました。一方,2019年8月にG7 X Mark IIIと同時に登場したG5 X Mark IIは初代からいっきょに小型化されてG7 X Mark IIIよりちょっと大きいくらいなのに,ズーム域が望遠側に少し伸び(ライカ判換算120mm),かつ,格納式の電子ファインダーがついてスチル向け,ということが強調されていました。お仕事ではスチルしか使わないので当然ながらG5 X Mark IIのほうが目的には適切だと思っていたのですが,G7 X Mark IIIと比べるとお値段が高めでちょっと手を出せませんでした。

たまたま安いG5 X Mark IIIが出ているのを見つけた際に,すかさず入手しました。しかし,よく考えたら,コロナでまったくお仕事がなくカメラの出番もなかったため,せっかく調達したのにしばらくの間は死蔵状態でした。コロナの第5波と第6波の狭間にたまたまお仕事があったためG5 X Mark IIを遅ればせながら持ち出しました。

いずれもjpeg撮って出しです。

Canon PowerShot G5 X Mark II
8.8mm, F1.8, 1/60, ISO 640 (+4/3EV), WB (0)
Dec. 08, 2021, 13:36:55.85+09:00
場所は秘密です。トンネルの中から出口の方を見ています。完全な逆光ですが,コントラストが大幅に落ちることもなくよく頑張っています。さすがに新しいカメラ(というか,レンズ)は違います。隅のほうはさすがに甘いですが,広角端で開放ですのでこれで十分であると思います。ISO 640くらいであればノイズおまったく気になりません。レンズ固定式であることからレンズに最適化した電子補正がされているのだと思いますが,とてもまともに写っています。

Canon PowerShot G5 X Mark II
8.8mm, F1.8, 1/60, ISO 320, WB (0)
Dec. 09, 2021, 10:41:14.38+09:00
パイプやバルブです。金属の質感がリアルで,これだけ写ったらレンズ交換式なんていらない気もしてきます。となると,携帯のカメラと勝負ということになりそうですが,どうなんでしょうか。携帯のカメラではほとんど写真を撮らないので比較材料がなくてよくわかりません。

Canon PowerShot G5 X Mark II
8.8mm, F1.8, 1/60, ISO 250, WB (0)
Dec. 09, 2021, 10:43:04.10+09:00
開放で寄ると広角端でも背景は意外にボケます。トロトロにボケるなんてことはあり得ませんが,立体感を生み出すのには貢献しているように思います。右側のハンドルにピントをあわせていますが(でもちょっと後ピン),画面端にもかかわらずシャープで,塗装のハゲなどもリアルです。画像処理も自然な感じで変な強調感もありません。

初代G7 Xもよいカメラでしたが地味なが新型ではらちゃんと進化しているようです。

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