Carl Zeiss Distagon 25mm F2.8 (Contarex) (その3)

同じ富士山構図の第4回目です。同じ場所から同じように撮ってるので当然のように同じ画ばかりです。でもって,Distagon 25mm F2.8はひとまず今回でおしまいです。結局,F8に絞ったカットしか残ってませんでした。少しは絞りを開いたカットもあったはずなのですが,まともそうな画を選ぶ過程で残らなかったようです。

ILCE-7S / Distagon 1:2.8 f=25mm
25.0mm, F8.0, 1/250, ISO 100, WB (Auto)
Apr. 10, 2023, 10:59:55
釣り人がいて少しは雰囲気を変えたつもりですが,まぁ,それだけです。全体にシャキッと写っているように見えますが,細かく見ると甘い,という昔のレンズらしさがダダ漏れな感じです。それがよいって話でなければ,古いレンズ遊びはできません。レンジファインダー時代のCarl Zeiss Jenaのレンズもそうですが,なんとなく見ていると引き込まれてしまうような不思議な空気感があります。コントラストとか解像度とかそういうものじゃない,雰囲気みたいなものなのでたんなる感想にすぎないのですが,滑らかな陰影がそのように感じさせるのかもしれません。

ILCE-7S / Distagon 1:2.8 f=25mm
25.0mm, F8.0, 1/400, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto)
Apr. 10, 2023, 10:46:44
ボートに近づいて広角風味の構図を狙ってみました。キールというのでしょうか。船底の金属で補強した部分にピントをあわせていて,なぜか,妙にリアルです。もちろん解像度はほどほどなのですが,こんな感じだったよね,という雰囲気があります。周辺光量落ちは絞っていることを忘れさせるほどの勢いですが,なんとなくこれはこれでいい感じになっています。

ILCE-7S / Distagon 1:2.8 f=25mm
25.0mm, F8.0, 1/160, ISO 100 (+0.7EV), WB (Auto)
Apr. 10, 2023, 13:22:25
このカットだけ,笛吹市の桃の里憩いの森公園の桜です。桃じゃなくて。一番手前の花の雌しべにピントを合わせたつもりですが,その後ろの地味な花にピントがいってました。桜の白さを強調しようと思ってオーバーにしたら一番手前の花は完璧に飛んでしまっていて,やたらと抜けが多い気配りに欠けた残念な画です。でも広角っぽい画が好きなので残してしまいました。絞っても背景はちゃんとボケてますし,広角レンズとしては悪くないボケ方だと思います。もちろん,上を見ても下を見てもキリがないので,気に入ったかどうか,という程度のの話です。で,個人的には嫌いじゃないです。

ILCE-7S / Distagon 1:2.8 f=25mm
25.0mm, F8.0, 1/400, ISO 100, WB (Auto)
Apr. 10, 2023, 11:34:08

なんだか,とってつけたような構図でなんだかなぁ,と自分でも思うのですが,なんとなく残してしまいました。画面上部に太陽があってハレーションで画面の上部はコントラストが低下しています。このくらいだとちょっと神々しい感じがしてよい,というポジティブな見方もできると思います。負け惜しみじゃないです。Sonyのαシリーズはjpeg撮って出しで山の稜線などを見ると妙に輪郭強調をしている感が強くてなんだかなぁ,と思うことがあるのですが,この富士山もちょっと稜線が強調sれているように感じます。だから,どうってことはないのですが,もうちょっと曖昧でもいいのになぁ,と思います。解像感を高めるための一種の演出だとは思いますが,そのような処理は古いレンズとは相性が悪いのかもしれません。

Contarex用のDistagon 25mm F2.8のレンズ構成は後にヤシカから発売されたContax/YashicaマウントのDistagon 25mm F2.8に受け継がれているという説があります。その真偽は兎も角として,C/Y Distagon 25mm F2.8がどんな写りなのか,興味を惹かれてしまいます。というか,泥沼にはまっていきそうです。恐ろしきかな,Carl Zeiss。

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