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Carl Zeiss Distagon 1:4 f=35mm
マウント:Contarex
焦点距離:35mm
開放F値:4
絞り羽根:8枚
レンズ構成:4群7枚
最短撮影距離:0.19m
最大撮影倍率:
フィルター径:49mm
質量:246.0g (実測値)
1959年に西ドイツのZeiss Ikonから発売されたContarex用の交換レンズのひとつです。ContarexはZeiss Ikonが威信をかけて開発した究極の一眼レフカメラ,といってよいと思います。商業的には小さくて軽くて壊れないNikon Fをはじめとする日本製カメラに完敗してしまいます。結果として,Zeiss Ikonは1971年にカメラ事業から撤退します。
よく言われるようにContarexのrexはラテン語の王を意味していて,Contaxの王様,という意気込みで名付けられたものです。レンジファインダーのContaxは戦後はLeizがM型Leicaを出したことで大きく水をあけられZeiss Ikonは一眼レフに活路を見出そうとしたのだと思われます。しかし,凝った機構のために,兎に角,大きく重く高価でした。
Contarex用の交換レンズ群は広角から望遠まで一通り揃っており,35mmから135mmまでの常用焦点域には明るいレンズと暗いレンズがラインナップされていました。暗いラインはDistagon 35mm F4, Planar 50mm F2, Sonnar 85mm F2, Sonnar 135mm F4で,明るいラインはDistagon 35mm F2, Planar 55mm F1.4, Planar 85mm F1.4, Sonnar 135mm F2.8でした。これら以外にDistagon 25mm F2.8がありましたが,明るさの違うラインナップはなかったようです。もちろん,超広角や望遠,マクロなどもありました。特に50mmレンズにはアタッチメントをつけて8倍の単眼鏡を接続することができて,相当暗いのですが400mm相当の超望遠撮影ができたようです。暗いファインダーでどうやってピント合わせをしたのかちょっと謎です。
暗いラインのレンズであってもContarexの現役時代はたいへん高価であったようです。さすがに現代では比較的安価に(といってもコンディションがよいものはそれなりのお値段で)入手することができます。
35mm F4に限ったことではないのですが,後年のContax/YashicaマウントのCarl Zeissのレンズはどちらかというと派手な発色でコントラストがはっきりした印象がありますが,レンジファインダーのContax Cマウントや一眼レフのContarexマウントのレンズはモノクロ時代のレンズということもあって,どちらかというと階調を重視したバランスであるように思います。それでも解像感は十分で階調と解像感をうまくバランスさせているのがContax/Yashicaマウントより前のZeissのレンズのよいところであると勝手に考えています。
手元の個体はシルバー鏡筒の前期型で,最短撮影距離は19cmで35mmレンズとしては非常に寄れます。これはいざというときには本当に便利です。ボケ味とかそういう概念がない時代のレンズなのですが,絞り羽根は8枚あります。
Contarex用レンズをいくつかまとめて某マエストロにメンテナンスをしてもらったこと,ストレスたまりまくりでヤケクソで旅行に逃避したことなどもあって,Contarex用レンズをいくつか握りしめて富士山を見に行った際のカットからまずは並べてみようと思います。
せっかく階調豊かであることが期待される1960年代のレンズなので,まずはモノクロだろうということでいつものようにLeica M Monochromeに取り付けて富士山がよく見える河口湖に行ってみました。Leicaのレンジファインダーカメラでは,風景というよりはやはりスナップだろう,と勝手に思い込んでいるので,主に,観光地に集まった人々の様子などを撮ってみました。
最近は通りすがりにシャッターを押したりするとたいへんなことになりかねないので,人物がはいるスナップ写真は撮りにくいのですが,観光地で人がいっぱいいるところなら,むしろ,イヤでも人がたくさん写ってしまうので,結局,なんとなく狙ったような(観光客が写ってしまっている)状況になっています。おもしろいかどうかは別にして,なんかごちゃごちゃした写真が撮れてしまうのです。
Contarex用Distagon 35mm F4にアダプタをつけてLeica M Monochromeで撮っています。DNGファイルをdarktableで現像しています。絞りはアダプター側のリングで調整するので実際のF値はあまりよくわかりません。だいたいの値です。
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / Distagon 1:4 f=35mm 35.0mm, F22.0, 1/250, ISO 320 (+0.332EV) Apr. 10, 2023, 11:10:54 |
まずは普通に人がいないところで富士山写真です。河口湖畔の大石公園から少し歩いて人気のないところで撮っています。露出補正の設定を間違えていてやたらオーバーで撮っていてあまりよいカットが残ってませんでした。何やってんだか,って感じです。かなり絞ったはずですが周辺光量がかなり落ちています。
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / Distagon 1:4 f=35mm 35.0mm, F16.0, 1/500, ISO 320 (-0.332EV) Apr. 10, 2023, 11:22:19 |
大石公園は大きな駐車場もあるのでたいへんな人です。平日ですが,観光客で賑わっています。半分くらいは外国人ではないか,という感じでさすがFujiyamaは海外からの観光客に大人気のようです。コロナももう誰も気にしていないようです。階調は滑らかですが暗部はわりとすとんと落ちるように感じます。
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / Distagon 1:4 f=35mm 35.0mm, F8.0, 1/3000, ISO 320 (-0.332EV) Apr. 10, 2023, 11:33:14 |
大石公園周辺はなぜか観光客が同じところに集まって同じように写真をとっているのが面白いというか不思議な感じです。スマホだけではなく最近はすっかり減ってしまったカメラを持つ人もたくさんいます。暗部をシルエット的に画にするのにはちょうどよいレンズかもしれません。
LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / Distagon 1:4 f=35mm 35.0mm, F8.0, 1/3000, ISO 320 (-0.332EV) Apr. 10, 2023, 11:38:02 |
Carl Zeiss
Contarex
Distagon 1:4 f=35mm
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M Monochrom (Typ 246)
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