HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR

Ricoh Imaging HD PENTAX-D FA 1:3.5-5.6 28-105mm ED DC WR

マウント:KAF3
焦点距離:28-105mm
開放F値:3.5-5.6
絞り羽根:9枚
レンズ構成:11群15枚
最短撮影距離:0.5m
最大撮影倍率:0.22倍
フィルター径:62mm
質量:440g (カタログ値)

2016年4月にフルサイズの一眼レフ機であるK-1にあわせて登場したコンパクトなフルサイズ対応の標準ズームレンズです。一足先にその半年ほど前にF2.8通しのフルサイズ対応標準ズームレンズであるD FA 24-70mm F2.8がでていますが,どちらを選ぶかは悩ましいところです。F2.8通しのレンズは非常に魅力的なのですが,歳をとってくるとどう考えても大きくて重くて持ち出す気力が萎えてしまいそうです。ただ,28-105mmは望遠側はちょっと長めでよいのですが,広角側が28mmでもう一声,24mmまで広げてくれぇ,と叫びたい気分です。

というのもお仕事で使うときは絶対に24mmが必要,ということもあります。そのため,これまではフィルム時代のTamronの24-135mmをK-1改につけて使っていました。24-135mmはよいレンズだと思いますし,特に不満もなくお仕事で活躍してくれていました。しかし,昨年のお正月に某所へ調査に行った際にテトラポットの隙間に(私が)足を踏み外して落ちてしまい,レンズをテトラポットに思い切りぶつけたというなんとも情けないことがあって,動作が不安定になってしまいました。お仕事でレンズが動かないのは致命的なので別のものを調達するしかない,と考えて,遅ればせながら純正の標準ズームの導入を検討した次第です。

最近のミラーレス一眼用のレンズでは,28-70mmくらいでF2.8通しのコスパのよいズームレンズがいくつかリリースされています。そのようなレンズだとF2.8だけどコンパクトなので広角側は諦める,とかいろいろと(自分に)言い訳ができるのですが,24mmはデカくて重いF2.8通し,小さくて軽いのは28mmからね,っていうのはなかなか自分のなかで割り切れない部分があります。

そうはいっても持ち出さなければ意味がないし,お財布と相談のうえ(結局これが一番大きい),28-105mmを調達しました。テトラポットに落ちてからK-1改をお仕事に持ち出すことはなかったのですが(それはとても良いことなのですが),とりあえずちゃんと使ってどんな感じか(動けばよい,というレベルの話なんだけど)を見ておかねばなりませんのでちょっと持ち出して使ってみました。

Pentax K-1改 (Mark II相当)にD FA 28-105mmを装着していつものようにjpeg撮って出しです。

PENTAX K-1 Mark II / HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR
28.0mm, F4.5, 1/25, ISO 400, WB (Off)
Aug. 29, 2024, 13:16:11
海を見に行きました。目的は1923年の関東地震の痕跡を見るというちょっと普通の人にとっては何がうれしいのかわからない目的です。三浦半島には当時の痕跡がいろいろ残っています。これは観音埼灯台に登る山道です。絞りが中途半端でピント位置も中途半端というなんだかなぁ状態の画ですが,その場の雰囲気がよく出ているように思います。特に,影の暗部から明部への階調がすばらしく滑らかです。

PENTAX K-1 Mark II / HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR
28.0mm, F4.5, 1/250, ISO 100, WB (Off)
Aug. 29, 2024, 13:24:45
観音埼灯台の下の海岸です。いろいろなものが流れついています。水平線を見ると地球は丸いなぁ,と思ってしまいそうですがこれは樽型の歪曲歪みだと思います(たぶん)。ちょっと歪曲が目立ちます。

PENTAX K-1 Mark II / HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR
28.0mm, F4.5, 1/1250, ISO 100, WB (Off)
Aug. 29, 2024, 13:16:35
観音埼灯台です。台風が接近していて天気はよくないですが普通に暑い日でした。半段ほど絞って周辺の光量落ちが目立ちます。台風前の不穏な雰囲気が出ていてよい,ともいえますが。

PENTAX K-1 Mark II / HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR
31.0mm, F4.5, 1/1000, ISO 200, WB (Off)
Aug. 29, 2024, 13:27:00
1923年の関東地震のときに倒壊した旧観音埼灯台の残骸です(たぶん)。上の現在の灯台の入り口で入場券を売っているスタッフさんは地震で倒壊した灯台の土台はコンクリートなので残っているけれども,本体部分はレンガでバラバラになったため,いつしか人々がレンガを拾って持ち帰って土台以外は跡形もなくなった,とおっしゃっていました。レンガなんか持って帰ってどうするのか,とも思いますが,当時,レンガは建材として高価だったのかもしれません。旧灯台はおそらく無補強組積造だったでしょうから地震の揺れでひとたまりもなかったのでしょう。台風気配の厚い雲とレンズの周辺光量落ちがなんだか当時の気分を表しているような画になりました。

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