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前回までにContarex用のZeissのレンズで富士山の写真を並べてきましたが,一緒に持っていった現代のレンズによる画をいくつか並べてみます。旅行にはとりあえず何も考えないで便利ズームのFE 24-105mm F4 G OSSを持っていっています。ズームの範囲もそれなりに広いし,F4通しで明るくはないけど暗くはないし,手振れ補正も付いているし,大きさ重さもほどほどで持つのが苦痛ではないというのとで,旅行に一本持って行くならこのレンズ,というようなレンズです。デジタル補正が前提で歪曲や周辺光量落ちなどはかなり大きく,そのことをおれこれ言う向きもあるようですが,私のようにjpeg撮って出しでOKな人にはなんの問題もありません。実際,今でもよく売れているレンズの一本のようです。
オールドレンズを使うときはα7sを使っていますが,現代レンズのときはα7 IIIを使っています。今回は両方のカメラを持っていってContarex用のZeissレンズとともに同じような場所で同じような画を撮っているので両者の違いもよくわかるのではないか,と思います。だからどう,ってこともないし,どちらがよいという話もありません。
以下,ILCE-7M3 + SEL24105Gでいつものようにjpeg撮って出しです。
ILCE-7M3 / FE 24-105mm F4 G OSS 54.0mm, F5.6, 1/800, ISO 100, WB (Auto) Apr. 10, 2023, 08:58:09+09:00 |
ピントは手前の桜です。自動露出で撮ると絞りはレンズの性能が一番発揮される絞りを選ぶアルゴリズムのようなので微妙な絞り値です。結果として背景の富士山はボケてます。桜はあくまでもシャープで爽やかで自然な色で朝の澄んだ空気も感じられる写りです。周辺光量落ちは自動補正されているので画面全体で均質な明るさですが,逆にのっぺりした印象を受けるとも言えます。もちろん,画としてはまったく悪くないんですけど。
ILCE-7M3 / FE 24-105mm F4 G OSS 68.0mm, F5.6, 1/800, ISO 100, WB (Auto) Apr. 10, 2023, 09:14:25+09:00 |
ほぼ同じ画をContarex用Planar 50mm F2でF2.8に絞って撮っていますが,ずいぶんと雰囲気が違います。絞りが1段違うし,カメラも違うので単純比較をするような話ではありませんが,どこかねっとりした雰囲気のあるPlanarとは異なりSEL24105Gはもっと爽やかな感じです。解像感が違うのは絞り値の違いも大きいと思いますが,そのことを差し引いても明らかに現代レンズの方が解像感はありますし,等倍でもみても圧倒的に解像しています。見た目に近いのはどちらかと言われれば間違いなくSEL24105Gだと思います。光の捉え方がこんなにも違うともはや写真とは何か,という根源的な話になってしまいそうな勢いです。ただ,Planarの不思議な空気感は他には得難いもので,その雰囲気が好きだったり,その画とマッチしている被写体ならばPlanarのほうが圧倒的な存在感を発揮するように思います。現代のレンズでPlanarのようなある種の脚色はあり得ないでしょうから,そんなオールドレンズにしか残せない画がある,ということなのだと思います。個人的にはどちらも好きですし,勝敗を決めるようなものでもない,と考えています。
ILCE-7M3 / FE 24-105mm F4 G OSS 51.0mm, F8.0, 1/800, ISO 100 (-0.7EV), WB (Auto) Apr. 10, 2023, 10:24:15+09:00 |
同じ構図の画をいったいどれだけ撮ったんだ,という感じですが,河口湖の向こうに見える富士山です。絞ってますが意外に解像感は低くてひょっとすると回析の影響がはやくもでているのかもしれません。富士山中腹の階調は明らかにPlanarよりも豊かで富士山中腹の森の細かな陰影や写っています。古いレンズばかり使っているとPlanarの性能は極めて優秀だと言えますが,さすがに50年以上の設計や製造技術の進歩には太刀打ちできていません。SEL24105Gはさすがに現代の高性能レンズだということを改めて認識させられます。
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