Heligon 35mm F2.8 (その7)

 Heligon 35mm F2.8はひとまず今回が最終回です。いろいろな表情を見せるまさに「怪しげなる空気」を写しだす怪しいレンズです。モノクロ時代の諧調表現が豊かなレンズでありながら解像感もある,という当時の最先端,高性能レンズだったのだろうと思います。諧調表現から考えるとモノクロがとてもよくあっていると思います。Leica M Monochromeは本当にモノクロしか撮れないカメラなので,カラー画像がどのようなものかはまだ全くみていません。ひょっとするとカラーでも通用するのかもしれませんし,全然だめなのかもしれません。

LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / Heligon 1:2,8 f=35mm A
35.0mm, F8.0, 1/90, ISO 400 (-0.332EV)
Mar. 20, 2023, 09:32:06
前回の最後のカットで壁一面に竹が張り付いているように見えるけれども本当は一部に窓がある,という外観をご紹介しました。そのなんちゃって壁の内側がこのカットです。意外にも開口部が広くとられていることがわかります。でも,外からはここに開口部(窓)があることは非常にわかりにくく造られています。この建物を作った人は何がやりたかったんでしょうか。ピントは毎度の如く甘いですが,自然な写りです。

LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / Heligon 1:2,8 f=35mm A
35.0mm, F8.0, 1/125, ISO 640 (-0.332EV)
Mar. 20, 2023, 09:27:01
解像感はあまり高くありませんが,屋根裏の暗部までちゃんと諧調が残っています。モノクロ時代らしい諧調重視のレンズなのでしょうか。光が差し込んでいるハイライトはさすがに飛んでいます。しかしそれ以外は明暗ともによく粘っています。

LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / Heligon 1:2,8 f=35mm A
35.0mm, F8.0, 1/125, ISO 2000 (-0.332EV)
Mar. 20, 2023, 09:08:01
偕楽園にはいったすぐの場所です。もっとも,入口がたくさんあるのでどの入り口か,と言われるとよくわかりません。「一の木戸」という看板が下がっているので「一の木戸」なのでしょう。明暗さが大きく,厳しい条件ですが,階調で見せるのは得意なレンズなので,自然に写っています。ところどころスポットライトのように当たっている陽の光が妙にリアルです。しかも,そのハイライトの質感がリアルです。

LEICA M MONOCHROM (Typ 246) / Heligon 1:2,8 f=35mm A
35.0mm, F2.8, 1/60, ISO 320 (-0.332EV)
Mar. 20, 2023, 17:53:19
最後のカットはダリア園の桜です。だからなんなんだ,というレベルの何の変哲もない画です。開放なのに周辺光量落ちが気になりません。絞り値のメモを間違っていたのかもしれません。気にしたら負けですから気にしないことにします。ピントがどこに来ているかもよくわからなくて散漫な画です。何がやりたかったんだ,って自分に問い質したい気分です。

Heligon 35mm F2.8は変幻自在な謎のレンズでした。ひょっとすると調整が悪くてピントがちゃんと来ていないのかもしれません。これもメンテが必要かも...。

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